<一日目>
今回は栃木と群馬の県境を巡ってみます。高速バスで佐野に行き、そこで車を借りてまず足利に向います。足利の太平記館にクルマを停め、館内で足利のご当地グルメ「足利シュウマイ」を、ここはソースで頂きます。


ではさっそく太平記館に隣接している足利学校を見学します。足利学校の創建については記録が残っておらず、諸説ありますが、歴史が明らかになるのは、1432年に上杉憲実(のりざね)が、足利の領主になって自ら再興に尽力したころからです。 1549年にはフランシスコ・ザビエルより「日本国中最も大にして最も有名な坂東の大学」と世界に紹介されるまでになっています。さて足利学校には、入徳門から入ります。100m程先にある学校門との間には孔子像や稲荷社があります。




学校の中にある孔子廟へは杏壇門(孔子が弟子たちを教えたところに杏の木が植えられていたことに由来)から入ります。その門の前には字降松(かなふりまつ)があります。読めない字や意味のわからない言葉などを、紙に書いてこの松の枝に結んでおくと、翌日にはふりがなや注釈がつけられていたことから、そう呼ばれるようになったそうです。孔子座像と小野篁像を参拝したのち、隣の方丈・庫裡に向かいます。






庫裡(奥)
庫裡の入口の前に、「宥座之器」があります。空の時には傾いているこの器は、少し水を入れるとまっすぐになり、八分目を超えて入れすぎるとひっくり返ります。孔子が理想とした中庸(ちゅうよう)がよいことを実感させるもので、実際、器にヒシャクで水を入れると、まさにそうなりました。方丈からは南庭園が見えますが、池の水際は鶴が羽ばたくような形になっています。最後に、学生が学んだり生活していた衆寮と、歴代庠主(しょうしゅう、学校長)の墓を見学しました。




次は、足利一門の氏寺の鑁阿(ばんな)寺です。この寺は、周囲に土塁と堀が巡らされた寺城で、「足利氏宅跡」として国史跡です。また、鎌倉時代後期に建てられた本堂は、国宝に指定されています。多宝塔の周辺は、丁度紅葉が見頃でした。




昼は、ご当地グルメの「ポテト入り焼きそば」と「ソースカツ丼」を食べたいと思い、「焼きそばハウスおおぜき」に行きます。テーブルは店の外にもありますが、調理場の真ん前のカウンターんで頂くことにします。確かにポテトの入った焼きそばは珍しいですね。ソースカツ丼も、カツにソースが馴染んでいました。




足利市は渡良瀬川によって南北に分かれており、足利学校と焼きそばハウスおおぜきも川を挟んでいます。その橋の1つが渡良瀬橋で、歌手の森高千里「渡良瀬橋」で歌われています。渡良瀬橋北側に「渡良瀬橋歌碑」が設置されていますので、見に行きます。川と反対側の面には歌詞が書かれておりボタンを押すとメロディーが流れます。音がわれており、気分が損なわれますので、直した方がいいと思います。


左はスピーカー
奥は渡良瀬橋
足利の最後は、足利氏の始まりの地である下野國一社八幡宮に参拝します。ここは1056年、足利氏の初代義康の祖父である源義家が、奥羽の内乱に向かう折、戦勝祈願のため勧進したと伝えられている神社です。ちなみに尊氏は8代目です。


車で30分ほど行くと、大田市の金山城跡に到着します。ここはもともとは新田一族のよって築城された山城で、最後は、豊臣秀吉の北条氏征伐により、廃城となっています。当初はあまり期待もしませんでしたが、石垣や土塁の規模は想像以上のもので、やはり日本100名城の一つになるのも頷けます。三の丸の下には月の池、日の池と二つの大きな池があり水の豊富さが伺えます。当日は舗装された道路を堀り返し、発掘調査が行われていました。






本丸があった場所には、現在。新田神社があります。ガイドの方は、神社があるため、発掘調査が進まないと嘆いていました。本丸からは、足利や佐野の方面が、遠くまで見渡せます。




(推定樹齢800年)
城跡の近くに、曹源寺栄螺(さざえ)堂がありますので、立ち寄ってみます。残念ながら見学は15時までと言うことなので、外から見学するだけです。ここは紫陽花でも有名ですので、次回は梅雨の時期に来て、堂内のらせん階段を登ってみたいと思います。


今日の宿泊は桐生駅前ですか、まだ時間もありますので、徳川氏発祥の地の東照宮として知られている世良田東照宮(国重文・国史跡)に立ち寄ってみます。徳川家康の先祖は、新田氏の始祖である義重(足利氏初代義康と兄弟)から新田荘の内、ここ「世良田」 他5カ郷を譲り受けたこの新田義季(よしすえ)と言われ、三代将軍家光がこの神社を創建しています。残念ながら本殿、拝殿は現在修復中でした。同じ敷地内には、天海僧正が徳川家康公から命じられ復興した長楽寺があります。長楽寺の蓮池とそれにかかる渡月橋には、竜宮につながっているとされる伝説があるそうです。当日は蓮池の水は抜かれていました。






今日の宿は桐生駅前パークイン桐生です。夕食は、近くの左門末広町店で頂きます。揚げ物、焼き物、何れもおいしく、地酒も頂き、店員さんの愛想も良く、お値段も安くて、大当たりのお店でした。ホテルに帰り、窓から下を見ると、ホームが本当に近く見えます。本数は少ないので、音は気になりません。










