<二日目>
今日も天気は良さそうです。初めは福岡城に行きます。この城は、黒田長政が関ヶ原の戦いの戦功により、筑前国ほぼ一国(52万石余)を与えられ、福岡藩の初代藩主になり、それに伴い豊前国中津(大分県中津)から移ったことにより造られました。城名は、黒田氏の故地である備前国邑久郡福岡(岡山県)に由来します。海側からは、鶴が羽ばたく姿に似ているため「舞鶴城」とも呼ばれており、この一帯は現在、舞鶴公園となっています。建物はあまり残っていませんが、石垣や縄張りがほぼ当時のままの姿だそうです。地元からは天守の建設要望が有るそうで、ここで行われる「さくらまつり」では仮設の天守が造られます。行った日は、その解体工事がされており、残念ながら、天守台に上ることが出来ませんでした。




(野面積みの石垣)

(割石積みの石垣)

(福岡市HP)
舞鶴公園内の元平和台球場の跡地に、鴻臚館跡展示館がありますので見学します。鴻臚館は飛鳥・奈良・平安の約400年間、中国大陸や朝鮮半島からの使節団の迎賓館や、日本の遣唐使や遣新羅使の宿泊所として使用されました。この遺構の発見は1987年と最近です。ここからまっすぐに昨日訪れた大宰府まで道が続いていたようです。


(礎石や柱の跡)


今日の宿泊先は柳川ですが、途中の久留米で、久留米城と水天宮に立ち寄ります。初めは、久留米城ですが、これは、江戸時代の250年間この地を治めた有馬氏の居城です。城は、筑後川が宝満川と合流する左岸の丘の上に築かれています。明治になり、城は解体され、現在は本丸に、有馬記念館と篠山神社が建てられています。二の丸・三ノ丸はブリヂストン久留米工場の敷地となっています。



(現在は篠山神社)

筑後川(手前)と
宝満川(奥)が合流
次は水天宮です。安徳天皇の母である高倉平中宮(建礼門院)に使えていた女官伊勢が、壇ノ浦の戦いの後、筑後川の川辺りに遁れ、1190年、初めて水天宮を祀ったのが、水天宮の由来です。従って、水天宮の御祭神は、安徳天皇、高倉平中宮(安徳天皇の母、二位の尼 平時子(建礼門院の母、平清盛の正妻)と天御中主之神(あめのみなかぬしのかみ、最初の神)です。東京の水天宮は、有馬藩邸の御分霊が、現在の中央区日本橋に御遷座したもので、全国各地に鎮座する水天宮はすべてここの御分霊社です。



(手をかざすとガラスの
上を水が流れてくる)



柳川市の北東、中山熊野神社で、「中山大藤まつり」が開催されていますので、立ち寄ります。一面の藤棚できれいだったのですが、4月17日段階ではまだ1分?咲きです。柳川市のホームページの写真を見ると、22日の満開時は見たことも無い程美しい光景で、非常に残念です。それにしても藤の花の蔓は一週間程で一気に伸びるんですね。藤を見た後は、柳川市内に入るの手前にある「からたち」に入り、当店一押しという店内の広告を見て、担々風旨辛うどんを注文しました。確かに辛旨でした。



(柳川市HP)



宿に車を置き、早速、徒歩での市内観光です。ホテル近くの「柳川藩主立花家邸
御花」に行きます。ここは、五代藩主 立花貞俶(さだよし)が、二の丸から建物を移築し、側室や子息たちを住まわせた場所です。季節の花々で彩られるようになったことから、「御花畠(ばたけ)」の愛称でよばれたようです。現在も立花家が「御花」として受け継ぎ、資料館を維持しながら、ここでホテル、宴会場を運営しています。大広間からは松濤園が隅々見渡せ、気候も丁度良かったので、いつまでも眺めていたい気分でした。居間のひな壇の回りには色とりどりの「さげもん」が飾られていますが、これは、柳川の習わしだそうです。





大広間



次は北原白秋生家・記念館を見学します。ここは白秋生誕百年を記念して、酒造業を営む白秋の分家の土地に建設されているそうです。白秋は酒造業を営む裕福な家に生まれていますが、大火で酒蔵が全焼し、家は傾きます。焼け残った母屋を復元したものが、現在、生家として公開されています。記念館では、白秋の人生とともに、柳川の歴史が紹介されています。






柳川で真っ先に思い浮かぶ風景は、かつての柳川城の掘割を、どんこ舟(どんことはハゼの仲間、観光用に使われる以前にはどんこ舟で魚をとっていた)で巡っていく風景です。掘割は市全域には総延長およそ930㎞!有るそうです。本日宿泊するホテルの裏側から川下りの舟が出ますので、早速船着き場まで行き、乗船します。波がありませんので、舟は揺れずに進みます。低い橋を横切るときは、客は体を舟の底で横にする必要があります。そのとき船頭さんは、舟から上の橋に飛び乗り、横切った後、舟に飛び降りてきます。観光船の運営会社は7社有りますので、舟は前後に見え、船頭さんの歌声も聞こえてきます。今回乗った伯舟観光の船頭さんも、地元の民謡など3曲歌って頂けました。船頭さんは自己紹介していましたが、ホールでも歌う現役のオペラ歌手だそうです。



(川下りの船着き場)



夕食は、地場の材料を使った特別会席です。柳川は鰻が名物なので、前菜で鰻の骨煎餅がどーんと出ます。献立を見て知らなかった食材は、前菜のクチゾコ(有明海で獲れるシタビラメの仲間)のしょんしょん(味もろみ)焼き、お造りのせいまき(有明海産のクルマエビ)、酢の物のミロッゲ(有明海産の赤貝)です。スマホで確認しながら頂きました。最後は鰻の相盛り重、デザートのプリンとスイカで終了です。




鰻の相盛り重