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国内旅行

熊野磨崖仏、宇佐神宮、耶馬溪、大分

<一日目>

 今回は温泉県、大分に来ました。空港から、最初の目的地、熊野磨崖仏に向かいます。受付で参拝料を支払い、入口から階段を登って行きます。途中は、急ですが、道は整備されています。10分程行くと、熊野神社の鳥居が有り、そこから先は鬼が積んだという急な石段です。足下の悪い中、手すりにつかまりながら100m程登ると、ようやく磨崖仏のある広場に出ます。

 この磨崖仏は11世紀頃(平安時代後期)の造立作と言われており、右は「不動明王(約8m)」、左は「大日如来(6.8m)」となっています。急な石段を更に上ると熊野神社に到着します。名前の通り、ここの神様は、紀州熊野からお迎えした権現様です。

 次は、全国4万社ある八幡社(応神天皇を主祭神とする)の総本宮である宇佐神宮に参拝します。駐車場脇にある太鼓橋前大鳥居をくぐり、神橋を渡って表参道に入ります。さすがに総本宮だけあって、掃き清められた表参道が、神橋を渡った所にある大鳥居から300m位続きます。ここ宇佐神宮の鳥居は、柱の上部に黒い台輪があるのが特徴です。

 表参道の右側には宝物館(残念ながら当日休館)、日本三沢の池と言われている初澤の池(他の二つは奈良の猿沢の池、京都の広沢の池)があります(他の二つほどは大きくないですが)。手水舎の水盤は日本一の大きさだそうです。皇族下乗場を過ぎると、上宮本殿と下宮への分かれ道になりますので、左の石段を進みます。途中には三角形の石が寄り沿うように並ぶ夫婦岩が有ります。一人なら両足で、二人ならそれぞれが手をつないで踏むと幸せになるとか。

 階段の先にある鳥居と西大門を抜けると、国宝の宇佐神宮本殿となります。本殿そのものは回廊に囲まれ、直接は見ることが出来ませんが、一之御殿、二之御殿、三之御殿と三棟が八幡造りという形式で、横並びで建って居るそうです。回廊の横には樹齢800年といわれる楠の神木があります。本殿の反対側には、宇佐神宮の奥宮が鎮座する御許山(おもとさん)の遙拝所、急な階段(百段)と南大門があります。

 本殿の参拝を終え、若宮神社(応神天皇の子、仁徳天皇とその皇子を祀る)を通って、下宮に参拝します。ここは古くは神へ捧げる食事を調理する場であったとのこと。下宮も回廊に囲まれ、内部には一之御殿、二之御殿、三之御殿と三棟が八幡造りという形式であります。ここは上宮とことなり、回廊の正面にお社が見えます。

 八幡大神が現れたという御霊水に向かいます。途中、池の向こうに能楽殿が見えます。御霊水の内部には3か所、泉が有ります。覆いを開けると、湧水がありますが、濁っていて飲めそうにはありません。期待外れ。傍に柄杓があり、水を持って帰ることは可能です。最後は、寄藻川に架かる呉橋(くれはし)をみて、参拝を終了します。この橋は、10年に1度の勅祭の時だけ扉が開くようです。

 昼食を取るため、寄藻川沿いの道を歩き、仲見世に向かいます。文福で、だんご汁定食を頂きました。だんごというと球状にしたものと考えますが、大分では手で引きのばしたものをだんごと言うようです。定食には、名物の鳥の天ぷらも付いていました。

 昼食後は、耶馬渓に向かいます。最初は、山国川(やまくにがわ)に架かる耶馬渓橋の見学です。1929年に作られた8連アーチの石橋で、長さは116mあり、石橋としては日本一の長さです。そこから10分ほど車で川沿いを進むと荒々しい岩肌の競秀峰があります。そこへの道は現在は、トンネル交互一方通行で行けますが、昔は「鎖渡し」と呼ばれる難所で、遭難者も多かったとのこと。見かねた江戸時代の僧「禅海」が自らノミと槌で掘ったのが青の洞窟です。よくも手で掘れたなと思う規模です。

 山国川水系の山移川(やまうつりがわ)をせき止めて、1985年造られたのが耶馬溪ダムです。完成を記念して、耶馬渓ダム記念公園「渓石園」が造られました。耶馬渓の石とダムの水を利用して、耶馬渓の渓流を再現しています。無料で、美しい庭園を鑑賞することができます。

 今日の最後の目的地である、耶馬渓随一の景勝地、深耶馬に到着し、さっそく一目八景展望台に行ってみます。紅葉シーズンはこの展望台は超満員のようですが、今はまだ紅葉には早く、また日暮れも近いので、観光客はまばらです。ここからは群猿山や夫婦岩など奇岩や断崖を一望できます。下を山移川が流れていますが、巨石が転がっており、洪水時の流れの強さが伺えます。この辺りは山だけでなく、途中にある山移川の流域には奥入瀬渓流のように木々のトンネルがあり、紅葉シーズンはさぞや美しいと思われます。

 耶馬渓から大分市へは、高速で1時間半ほど。今日の宿泊先はホテル日航大分オアシスタワーです。ホテルでアーケード街にある「八條」を紹介され、行ってみます。お通しの鮭の豆乳煮から始まり、関アジ関サバ、アジフライ、ホタテのバター蒸、締めは大分の郷土料理の琉球丼でと、何れも美味で大満足でした。