<三日目>
朝の5時頃、夜が明け始めますので、朝食前に、ホテルの外の海岸を散歩します。海岸では拾い昆布漁(流れ着いた昆布の採取)がおこなわれています。漁師さんがまっけ(ひっかける鈎)を投げて、都度手繰り寄せますが、ほとんど昆布は拾えていません。早朝にもかかわらず、昆布が既に干場(かんば)に並べられています。
漁港では、大きなブリが盛んに水揚げされています。漁師さんに聞くと、温暖化の影響で、サケは不良で、ブリが取れるようになったとのことです。昆布漁の船が港にずらりと並んでいますので、今日の昆布漁は休業のようです。
ホテルに戻る前に、襟裳神社に参拝していきます。ホテルの入り口には、マスコットの犬が、鎮座しています。その前を通っても、こちらは無視されます。
(入口には犬が鎮座)
チェックアウト後、襟裳岬に向かいます。天気は良く、さわやかな風が吹いています。岬の遊歩道を散策します。展望台の横には、島倉千代子と森進一の歌碑が、並んで建っています。展望台から岬の先端へは、5分程歩きます。先端から見える岩礁にはアザラシがいるようですが、肉眼ではよく見えません。
(岩礁にはアザラシ)
展望台の下には、風の館という体験施設があります。そこの展望ゾーンには望遠鏡が10台ほど設置され、係の方が事前に角度を調整していますので、覗くとそこにゼニガタアザラシがいます。館には、えりもの風体験コーナーがあり、最大で25m/sの風を体験dきます。風洞の直前は、その風速なのですが、確かに立っているのは難しいです。
襟裳岬から広尾方向向かう砂浜は、百人浜と呼ばれています。名前の由来は諸説ありますが、何れもこの場所で多数の人が亡くなったことは共通しています。ここ一帯は、かつて開拓民が燃料にするために木を切りつくして森が砂漠化し、生活の糧である昆布が死滅しかかっていました。それを、再び緑の森に復元させるため、1953年から壮大な治山事業が開始され、現在に至っています。この経緯は、NHKのプロジェクトXでも取り上げられています。展望台からは、和人の青年とアイヌの娘の別れ、その娘の涙でできたと伝えられている悲恋沼が見えます。
国道336号沿いに、えりも町郷土資料館がありますので、見学します。館内には、えりもの昔の生活の展示等ありますが、圧巻は昆布の標本展示です。北海道で採取される代表的な昆布が一堂に観察できます。場所別に、これ程の等級差があることを、初めて知りました。この一帯で取れる昆布は、日高(三石)昆布ですが、北海道には、他に、羅臼、利尻など7種類あるようです。
昼食は、静内の回転すし「ちょいす」で。「お得な10貫セット」と、エビとウニを追加で頂きました。
新冠は、競走馬の産地として知られています。競走馬の牧場が集積している「サラブレッド銀座」に向かいます。その起点には「サラブレッド銀座駐車場」があり、そこからは、広大な、牧牛とは異なった、牧場が俯瞰できます。その通りを車で10分ほど行くと、優駿記念館と優駿メモリアルパークがあります。館内には、過去の優駿の記録、記念品が多数展示され、メモリアルパークには、オグリキャップをはじめとした優駿の墓があります。その中でも、オグリキャップの墓は一番立派です。
次は、判官岬に向かいます。途中、新冠川にかかるメロディー大橋を渡ってみます。橋の手すりには楽譜が施され、橋の中央の庇部分に行くと、鐘のメロディーが流れます。車を降りて、15分程雑木林の中を歩きます。人が誰も居ませんので、ヒグマが出ないかとびくびくしながら進みます。木立を抜けると、判官岬の展望台があり、そこから新冠の街と太平洋が一望できます。帰りも、怖いので急いで林を抜けます。
(ヒグマが出ないか)
(ここにも義経伝説が
ありました)
新冠は、レコードの街も標榜しており、その中心であるレコード館には、100万枚を超えるレコードが収蔵されているそうです。ここの駐車場にも、ハイセイコーの像があります。さて、ここからは、高速を通り新千歳に向かいます。
飛行場に行く前に、苫小牧で創業し、ハスカップを使ったロールケーキで有名な三星(みつぼし)本店に行き、ショートケーキを頂きました。時間もなくあわただしかったので、今度は余裕を持って伺いたいと思います。
本店独自のハスカップ
ショートケーキ(左)
チョコドーム(右)